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00_その他

「最近の研究」は本当に最近か?|医学論文における “recent” 表現の実態を検証した横断解析(BMJ 2025)

Recentの意味するところとは?医学論文を読んでいると、“Recent studies have shown that …”という表現を頻繁に目にします。「最近の研究」と書かれていれば、多くの読者は数年以内の新しい知見を想像するでしょう。...
09_感染症

アゼラスチン点鼻薬はCOVID-19の予防に使えるのか?|第II相RCTから得られた新知見(JAMA Intern Med. 2025)

COVID-19に対する予防手段の中心はワクチン接種ですが、薬物による曝露前予防(pre-exposure prophylaxis)の選択肢は限定的です。その中で、長年アレルギー性鼻炎治療に用いられてきた抗ヒスタミン薬アゼラスチン点鼻薬が…
11_皮膚・骨格筋系

サプリメントは筋萎縮を防げるのか?|不動状態・廃用による筋量低下を検証した系統的レビュー&メタ解析(Front Nutr. 2023)

入院中の長期安静やギプス固定などで運動が制限されると、筋肉は減少(筋萎縮)し、筋力低下・機能低下につながります。これを廃用性筋萎縮と呼びます。栄養介入としての サプリメント(たんぱく質、アミノ酸、クレアチンなど) が、廃用時の筋量・筋力低…
00_その他

朝食後の歯みがきが高血圧と関係する?|地域住民を対象とした横断研究(Sci Rep. 2025)

「歯みがきの習慣」が全身の健康に影響する可能性は以前から指摘されており、歯周病は心血管疾患(CVD)との関連も報告されています。では、歯みがきの “タイミング” は高血圧と関係するのでしょうか?今回ご紹介するのは、鹿児島県垂水市で実施され…
09_感染症

タミフル(オセルタミビル)は小児の神経精神症状を増やすのか?|大規模コホート研究からの “知見”(JAMA Neurol. 2025)

インフルエンザ治療薬「オセルタミビル(タミフル®)」については、国内外で小児の異常行動や神経精神症状に関する議論が長年続いてきました。しかし、これらの症状が薬によるものなのか、インフルエンザそのものが原因なのかは明確ではありませんでした。…
00_その他

なぜ「グループで作業すると生産的に感じる」のか?(European Journal of Social Psychology 2006)

ブレインストーミングや会議で「みんなで意見を出し合ったほうが生産性が高い」と感じる経験は、多くの人が持っています。しかし心理学の研究では “個人で作業した方がアイデア数も質も高くなる” ことが一貫して示されてきました。では、なぜ ”実態と…
00_その他

収入は幸福度をどこまで高めるのか?

「お金はどこまで幸福感を増やしてくれるのか?」この問いは心理学・社会科学で長年議論されてきました。特に有名なのが、次の2つの研究です。Kahneman & Deaton(2010)→ 収入が増えると幸福は増えるが「年収75,000ドル」付…
01_中枢神経系

ガルカネズマブとリメゲパント、どちらが優れる?|CGRP抗体 vs. ゲパント初の直接比較試験(DB-RCT; Neurol Ther. 2024)

片頭痛の予防治療はここ数年で大きく進化し、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)を標的とした新規薬剤が登場しました。CGRPを阻害する薬剤には大きく2種類があります:CGRPモノクローナル抗体(mAb):月1回皮下注射、ゲパント(ge…
02_循環器系

LDLコレステロールはどこまで下げるべきか?|脳梗塞既往患者で「超低LDL-C」とイベント抑制の関係を検証(RCT及び延長試験; Circulation. 2025)

脳梗塞の既往がある患者では、再発を含む心血管イベントのリスクが高く、厳格な脂質管理が推奨されています。しかし、LDL-Cをどこまで下げればよいのか?極端に低いLDL-C(例:<40mg/dL)は安全なのか?といった疑問には、長期データが十…
食事

納豆をよく食べる高齢男性は死亡リスクが低い?|前向きコホート研究と“健康志向バイアス”(Clin Nutr ESPEN. 2025)

「納豆は健康に良い」といわれますが、科学的な根拠はどの程度あるのでしょうか?今回紹介するのは、地域在住の高齢男性を約12年間追跡した前向きコホート研究で、納豆摂取量と死亡リスクの関連を検討した疫学研究です。しかし、こうした栄養疫学では、健…
12_血液・造血器系

高齢者における抗凝固薬と出血性脳卒中リスク:北海道の大規模データを用いた後向き研究(Aging Clin Exp Res. 2025)

高齢者に対する抗凝固療法は、脳梗塞や全身塞栓症の予防を目的として広く行われています。一方で、出血性脳卒中(脳出血)は高齢者で特に重篤なアウトカムをもたらすため、抗凝固薬処方に伴う出血リスク評価は不可欠です。今回ご紹介する研究は、日本・北海…
07_腎・泌尿器系

重度アシデミア+急性腎障害に重炭酸ナトリウムは有効か?|大規模RCTが示した「死亡率改善なし」(BICARICU-2試験; JAMA. 2025)

集中治療領域では、重度の代謝性アシデミア(pH≤7.20)を呈する患者に対し、重炭酸ナトリウム(商品名:メイロン®など)の投与が行われることがあります。しかし、急性腎障害(AKI)を合併した重症患者に本当に有効なのかについては、これまで明…
04_相互作用、薬物相互作用

レンボレキサント併用でクロザピン血中濃度が上昇?|薬物相互作用の可能性を示した症例報告(Br J Clin Pharmacol. 2024)

クロザピン(Clozapine, CLZ)は、治療抵抗性統合失調症(treatment-resistant schizophrenia, TRS)に対する最も有効な選択肢の一つですが、重大な有害事象や薬物相互作用(drug-drug in…
09_感染症

タミフル服用で異常行動は増えたのか?|添付文書改訂後の処方動向と副作用報告を検証(Drugs Real World Outcomes. 2024)

タミフル®(オセルタミビル)はインフルエンザ治療の中心的存在として長年使用されています。しかし2007年、10代での異常行動が相次いで報告され、添付文書に「10歳以上には原則使用しない」という制限が設けられました。その後、安全性に関する知…
07_腎・泌尿器系

慢性腎臓病(CKD)は「進行を遅らせる時代」から「寛解をめざす時代」へ|治療パラダイムの変化(Kidney Int. 2025)

慢性腎臓病(CKD)は、これまで「進行を少しでも遅らせる」という消極的な治療目標が主流でした。しかし近年、複数の大規模試験の成果により、CKDでも “寛解(remission)” が現実的な治療目標になりつつあると報告されています。Kid…
05_内分泌代謝系

DPP-4阻害薬はCKD合併2型糖尿病の心血管・腎イベントを防げるのか?(CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2025)

2型糖尿病と慢性腎臓病(CKD)の併存は、心血管疾患・腎不全・死亡リスクを大きく高めます。治療選択は複雑化しており、血糖降下薬が心血管イベントや腎イベントを抑制できるかは、臨床現場での重要な意思決定ポイントです。今回紹介するのは、DPP-…
01_中枢神経系

妊娠中のアセトアミノフェン使用と自閉スペクトラム症・ADHDの関連性は?(SR&MA; BMJ. 2025)

妊娠中のアセトアミノフェン(パラセタモール)は、国内外のガイドラインで比較的使用経験が多く、推奨される解熱鎮痛薬として位置づけられてきました。一方で近年「胎児期のアセトアミノフェン曝露と自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(AD…
02_循環器系

DOAC・ワルファリンの服薬遵守率は“80%で十分”ではない?|最新エビデンスが示す「最適アドヒアランス閾値」を解説(人口ベースコホート研究; J Thromb Haemost. 2025)

心房細動(AF)における脳卒中予防の柱となる 経口抗凝固薬(OAC:ワルファリン/DOAC)。長年、服薬アドヒアランスの基準として「PDC 80%(服薬遵守率80%)」が使用されてきました。しかし、この “80%ルール” (80%基準)は…
00_その他

たった一言の「無礼さ」が医療チームの診断力と手技能力を低下させる?|NICUチームを対象としたRCT(Pediatrics. 2015)

日常診療において、医療者間のコミュニケーションは患者安全の根幹を支えています。ところが近年「無礼な言動(rudeness)」が医療チームのパフォーマンスに悪影響を与える可能性が指摘されてきました。今回ご紹介する研究は、新生児集中治療室(N…
09_感染症

風邪(急性上気道感染)に抗生物質は効く?最新エビデンスで読み解く「本当に必要なケース」とは(CDSR; Cochrane Database Syst Rev. 2025)

「風邪なんですね?抗生物質を出してくれませんか?」——実臨床ではいまだに耳にするフレーズです。しかし、風邪(急性上気道感染:URTI)に抗生物質は効果がないというのは、長年繰り返し示されてきた事実です。今回紹介するのは、Cochraneが…
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